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とびっきりのプレゼントをあなたに

レタスを千切っていくオレの横で、鼻歌を歌いながら野菜の皮を剥いていく創。オレの心臓バクバクいってんの、聴こえてそうでなんかめっちゃくちゃ恥ずい。 スライサーで薄く切った玉ねぎとレタスを混ぜ合わせて皿に盛り付け、小房に分けてレンチンしたブロッコリーを乗せていく。 「ありがと。ツナの油切っておくから、先にお風呂入って来て?」 「ん、わかった…」 少しだけ…と、一瞬だけ掠めるように触れた創の唇が、すげえ熱かった気がする。理性が勝ってるうちに背を向けて、風呂場に向かった。 帰って来てから予めバスタブにお湯を入れといてくれたみたいで、相変わらず創の気遣いに感謝する。オレなんてソワソワしてそこまで気が回らなかった。 ぱぱっと身体中を洗って、グレープフルーツの香りがしてるバスタブに浸かる。ああ、この匂い創みたいだ。でももっと甘い気もする。そんな事考えてたら、当然ながら違う事も考えちゃって。 …ダメだ、最近ずっと創とイチャイチャ出来てないから、早く出てぎゅっと抱きしめたい。よし、もう出よう。 時間にしたら10分も入ってなかったかもしれない。けど、早く創に会いたかったんだ。 ほとんど温まってなんかないから、脱衣所に出るとちょっと寒かった。手早くバスタオルで体の水気を拭き取って、がしがしと髪を拭く。まだ水滴が垂れてくるけど、そんなん気にしてられない。 「創っ!風呂出た!」 ばたばたと上着を着ながらキッチンに向かうと、カレーをかき混ぜてる創の後ろからしがみつくみたいにして抱きしめた。足音で気付いてたみたいで、オレがキッチンに入る前に火を消してるのは流石ですね創さん。 オレの腕の中でくるりと回って、こっちを見て笑ってくれる。うっはあ天使!!!! 「ずいぶん早かったね。ちゃんと暖まった?」 「ん、まだ寒いからもっとくっついてたい」 「だーめ。ドライヤー貸して」 オレのわがままをぴしゃりと制して、髪を覆っていたタオルを取ると、優しく拭いてくれる。こうしていつも髪を乾かしてくれるから、風呂場から出たらドライヤーを持って創のところに向かうんだ。 創がやりやすいように椅子に座ると、すぐに後ろから温かい風が吹いてくる。短い髪なんだし、すぐにこの時間が終わるのがもったいないけど、創と向き合えないのもイヤなんだよなあ。 少しずつ乾いていくのが、パサパサという音でわかる。それに混じって、創の鼻歌が聞こえてきた。サンタクロースが煙突から落ちるとか、どんだけ慌ててんだよ…でも創が歌うとすっげえ可愛く聞こえるから不思議だよな。 「…はい、終わり」 「サンキュ。ちゅーしたい」 嬉しそうに近付いてくる創の頬っぺたに触れて、そのまま引き寄せる。柔らかい唇にオレのを重ねて、そこをぺろりと舐めてみた。 ああ、やっぱり甘い。

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