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とびっきりのプレゼントをあなたに
帰りがけにファミレスでささっと食べて、スーパーで買い物。今日はカレー作ってくれるって言うから、オレはサラダ手伝う。
カゴに入っていく食材が増えるたびに「大丈夫?重くない?」なんて聞いてくる。こんなん別にどうって事ないし。
いつもサラダにはツナ乗せてくれる。あとコーンも。オレの好きなやつ。創の特製ドレッシングをかけて食べるとめっちゃくちゃ美味い。
最後に牛乳を二本とプリンをカゴに入れてレジに並ぶ。ああ、なんかすっげえ幸せ。
会計を済ませて袋に詰め込む。ああ、この位なら一袋に突っ込めそうだな。
「どうしたの?」
「ん?いや〜、創の隣にいれるのはやっぱ幸せだなーと感慨に耽ってた」
「ふふっ、なにソレ」
正木に貰った紙袋と買い物したビニール袋を右手に、左手には柔らかい創の手のひら。冷たかった創の指先が、まるでオレの体温を分け与えてるみたいにだんだんと暖かくなっていく。その瞬間が、すごく好き。
手袋は持って来てるけど、いつもカバンの中に入ってるだけで、あまり使わない。手袋越しに手を繋ぐのって、なんか、オレ達が別人なんだって実感するから好きじゃない。
「帰ったら先にお風呂入っちゃってね?」
「えっ、一緒に入んねぇの?」
「カレー煮込むし…ちょっと、うん、今日は…」
きゅっと握った指先に力が込められて、俯いたまま歩き出す。吐き出した白い息の向こう側に、創の紅い頬が見えた。
「…先に、ベッドで待ってて?」
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