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とびっきりのプレゼントをあなたに
とびっきりのプレゼントをあなたに
「早いけどメリクリ〜。ちょっとお兄ちゃん借りるよ」
「は?いきなり何言ってんだよ」
「んー、あたしに逆らわない方が良くない?」
長い長ーいテスト期間が終わり、やっと明日からテスト休み。ようやく思いっきり創とイチャイチャできるから早く帰ろうと荷物を持って立ち上がろうとした時に、正木がにこにこしながらこっちに来た。
正木がこんな感じにオレらのとこ来る時は、たいてい何か企んでる。まあ、ほとんどの場合オレにとって都合の良い事の方が多いから、特に気にしてないんだけど。
「ほら、早く来てっつってんの」
「えっ、わっ、ちょっと…!」
止める前に引っ張られていった大好きな創の顔が、困ったようにこっち見てる。やべえ、その顔も可愛い。
はっと気付いた時にはもう正木が創に紙袋を渡していて、ちらちらとこっちを窺うように創がまた見てる。最初は驚いた表情だったのが、正木が何か話すたびにだんだんと頬が紅く染まっていって、しまいには俯いてしまった。
そんな姿も可愛くて可愛くて仕方がない。
とてとてと歩いて来る創を両手を広げて待ち受けてみたら、ぱあっと花が咲くみたいに笑って飛び込んで来てくれた。
「おわっ、危ね…」
「ごめん、イヤだった?」
「なわけねーだろ」
ぎゅっと力を込めて抱きしめると、スリスリと額を押し付けてくる。ああもう、可愛くてたまんねえな。
膝の上に座らせてやり、正木に渡された紙袋を受け取る。中身は……まあ、なんとなく予想がつくけど。
創の頭を撫でてやりながら、袋の中で上に被せてあるタオルを捲って見てみる。ああ、やっぱりな。こっちにカメラを向けた女子が多いから、出さない方がよさそうなものばっか入ってる。
「創」
「ん、なあに?」
ようやく顔を上げたその額にちゅっと口接けて、そこを合わせる。
じっと見つめれば、たちまち湯気が出て来そうになるくらい真っ赤に頬が染まっていく。ああ〜、もうムリ。
「早く一つになりたい」
よし、さっさと家に帰ろう。
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