501 / 507

嬉しい贖罪

※このお話は即興小説にて投下したものに、少しだけ加筆修正しています。 【継創】 「創、ごめんって!」 「や!継のばか!」 「悪かったって!」 「やだ、放して!」 あー、やばい、やっちまった。久々にこんな怒ってる。 原因はめちゃくちゃ些細なことなんだけど。 最近売り出した小包装された飴の袋を、オレがびりっと破ってしまった。いや、いくらなんでも普通ならこんな怒るとかないけどさ。 実はこの飴、なんとかっていう動物写真家が撮ったっていう、世界中のネコが一枚ずつそれぞれに印刷されてる。猫好きの創にしてみれば、そんな可愛い包みですら破るのは許せなったらしくて。 「ごめん、ホント悪かった」 「……猫カフェ」 「ん?」 なんとかこっちに引き寄せて、ぎゅっと後ろから抱きしめてその興奮を鎮めてやると、創がぼそりと何か呟いた。 「猫カフェ、連れてって」 「……………おう、わかった」 猫カフェ、なあ〜…前に犬カフェ連れてった時は、なんか創が犬に囲まれてちょっとムカついたからな。あいつら、オレの創に触りまくるし。 でもまあ、それで許してくれんならいいか。 「…あと、」 「ん、なんだ?」 「………キス、して」 ああもう、そんなんオレがしたいんだって! 猫みたいに喉を鳴らして喜ぶのは、きっとオレの方なんだけど。

ともだちにシェアしよう!