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ふたつの心臓、ひとつの心
いい双子の日を過ぎましたが、上げないと心残りなので…
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ふたつの心臓、ひとつの心
ふと目を覚ました創が寝返りを打つと、目の前にある同じ顔がにっこりと微笑んだ。
「お、もう起きたのか?オハヨ」
「ん…おはよ」
今まで感じていた背中の温もりが消えると同時に、手のひらに感じるそれ。きゅっと握ると、指先に優しく唇が触れる。
まだハッキリとしない思考でぼーっとその光景を見ていた創の腰を、労わるように継がもう一方の手で撫でる。ズキズキと感じるその痛みは、実は嫌いではないとは言えないけれど。
「…ヘーキ?」
「あんまり…」
「ごめんなさい」
「しょうがないなあ…じゃあ、ぎゅってしてくれたら許してあげる」
くすくすと笑いながら、こつんと額を合わせる。息が掛かるくらいの距離で、お互いの熱を感じ合うと、まるで生まれる前に戻ったような感覚になる。
ぴったりとくっついた身体。
重なる吐息。
聴こえるのはひとつの鼓動。
「創、もっとくっつきたい…」
「ん…」
溶け合う事は出来ないけれど、重ね合わせた心は離れない。
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双子バンザーイ!!!!
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