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ふたつの心臓、ひとつの心

いい双子の日を過ぎましたが、上げないと心残りなので… ***** ふたつの心臓、ひとつの心 ふと目を覚ました創が寝返りを打つと、目の前にある同じ顔がにっこりと微笑んだ。 「お、もう起きたのか?オハヨ」 「ん…おはよ」 今まで感じていた背中の温もりが消えると同時に、手のひらに感じるそれ。きゅっと握ると、指先に優しく唇が触れる。 まだハッキリとしない思考でぼーっとその光景を見ていた創の腰を、労わるように継がもう一方の手で撫でる。ズキズキと感じるその痛みは、実は嫌いではないとは言えないけれど。 「…ヘーキ?」 「あんまり…」 「ごめんなさい」 「しょうがないなあ…じゃあ、ぎゅってしてくれたら許してあげる」 くすくすと笑いながら、こつんと額を合わせる。息が掛かるくらいの距離で、お互いの熱を感じ合うと、まるで生まれる前に戻ったような感覚になる。 ぴったりとくっついた身体。 重なる吐息。 聴こえるのはひとつの鼓動。 「創、もっとくっつきたい…」 「ん…」 溶け合う事は出来ないけれど、重ね合わせた心は離れない。 ***** 双子バンザーイ!!!!
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