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決戦は金曜日

「あ、ちょうどいいとこにお兄ちゃん発見!」 「よし、拉致れ!」 継と手を繋いで廊下を歩いていると、後ろから物騒な声が聞こえてきた。何事かと一瞬顔を見合わせるけど、すぐに取り囲まれてしまう。 見ればそれはクラスの男子と手芸部の女子、そして正木さん。 「ちょっとツラ貸して、お兄ちゃん」 「え、ちょ…なに?」 「てめーらっ、オレの創に触んなっ!」 「まあまあ、損はさせないから」 継と引き離されてどうしようかと考えていると、正木さんが継に何か耳打ちしてる。 うーん、正木さんが関わるとなると、なんか心配だなあ… 「…マジ?」 「マジ。どう?」 「よろしくお願いします!」 継がものっすごい笑顔。うわ、すごく心配。 アップしてくるから!と爽やかな笑みを残して、継は体育館へと向かった。 残されたおれは、正木さんに背中を押されて歩き出す。 はあ、早く継のかっこいい姿見に行きたいんだけどなあ…

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