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決戦は金曜日

それから二回戦も難なく通過して、ラッキーな事にシードだった事もあり、さくさくと決勝まで勝ち上がってきた。 昼を挟んで午後から各競技の決勝がそれぞれ順に行われる事になってる。 「創っ、メシ食いに行こう!」 「うん、大ちゃん達も行こ?」 きゅっと手を握れば、同じくらいの力で握り返してくれる。あーもう可愛い。創食いたい。 歩く度に揺れる二つに結んだ髪が不思議な感じがするけど、似合ってるから特に気にならない。 教室に戻るとすぐに朝と同じようにクラスの奴らに囲まれた。 「お兄ちゃん、写真撮っていい?」 「ダメーッ!」 「いいじゃんケチ」 「オレの創だからだっ!」 「じゃあ双子揃って撮る」 「………後でオレのでも撮って」 こうしてプチ撮影会が始まった。 といっても、ただオレと創が普通にイチャイチャしてるとこを勝手に撮られるだけだから、いつもと変わらないか。 「あああっ、超可愛いッ!!」 「いつまで見てんだよ…」 膝の上に跨がる創を後ろから抱き締めながら、さっき撮ってもらった写真を眺める事数分…大介の呟きはもう何度も聞いた。 スマホの待ち受け画像に設定した創の画面をずーっと見ていた。 「継、もうそれしまってよ…」 サンドイッチを頬張る創も可愛い。あ、でもこれちょっと拗ねてる声だ。 抱き締める手に力を込めて、うなじにちゅっと吸い付く。 「拗ねてんの?」 「継はそっちの方がいいんでしょ?」 むうっと唇を尖らせる。可愛い。でも、それよりも笑ってくれてる方がもっと可愛い。 足をぶらぶらさせて頬を膨らませる創。あ、今シャッター音聞こえた。あとで画像貰おう。 「なあ創、機嫌直せって」 「むー…おれの事好き?」 「宇宙一愛してるっ!」 膝の裏に手を入れて創の体を横向きにしてやると、オレの大好きな笑顔を見せてくれた。 首に回された手に逆らう事なく引き寄せられて、そっと唇を重ねる。 「おれだって、同じくらい愛してる」

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