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決戦は金曜日

【継side】 「お前ら全員揃ってるかー?」 午後からの決勝戦まではまだ少し時間がある。他の競技に参加する奴らも、まだ教室でグダグダしていた。 突然やってきた担任の菅原が、ガサガサと持って来た袋をクラス委員長に渡している。 「まさかバスケ以外にもサッカー、バレー、卓球で決勝まで行くとは思わなかったぞ!」 差し入れだー!と配られたのは、一本10円で売ってる美味いスティック。まあ確かに好きだけどさ。 あー、これ後で創にあげよ。そんでオレの目の前で食ってもらお。 「しっかし、お前すごいかっこしてんな」 まだオレの膝の上にいる創に近づいてくる。じーっと見つめて、オレの方に視線を移した。 「継、お前今日かなり調子イイよな」 「ん?そりゃあこんな可愛い創に応援してもらってるし」 「ふーん……………」 再び創に視線を移すと、ジロジロと頭のてっぺんからつま先まで穴が空くほど見ている。見んな、オレの創だ。 菅原の視線から隠すように創をぎゅっと抱きしめると、ポンと手を叩いてとんでもない事を言い出した。 「創、お前バスケ部のマネージャーやる気ない?」 「ないです」 バッサリぶった切ったな…… 「いやお前、少しくらい考えてから断れよ…」 「え、だってマネージャーなんかしたら、継の事ずっと見てられないじゃないですか」 オレの腰にきゅっと手を回して菅原に反論する創。ああーもう可愛い!大好き! スリスリと頬ずりするオレを、呆れたように菅原が見下ろしてくる。 「ちぇーっ、継のやる気スイッチ入るのに…」 「まあ確かに創がいてくれたら頑張るけどさー、こんな可愛い創を他の奴に見せるとか絶対やだ」 はいはいご馳走さん、と笑いながら菅原が戻っていく。その後姿を見ながら、創の頬にちゅっと唇を押し付けた。 にっこり笑ってくれる創がほんとに可愛くて、腕の中から出すのが惜しい。でも、「決勝戦も頑張ってね」なんて言われると、頑張ろうって思える。 ジャスティンにとっての大介がそうであるように、大好きな人が自分の事だけを見続けて応援してくれるっていう事は、いつも以上の力を出せるんだろうな。 よし、絶対優勝するからな、創!

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