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決戦は金曜日
「継っ、スティール!」
「おっしゃ!ジャスティン!」
パスカットしてすぐにジャスティンへとボールを送る。ドリブルで中に切り込むジャスティンを追って、大介と二人でサイドに広がる。
難なくゴール下に入り込んだジャスティンが綺麗なレイアップを決めたところで、前半終了のホイッスルが鳴りコートを出た。
「はー、さすがに三年は強いよな…」
「まあ、うちの部の先輩らに簡単に勝てるとは思ってないけどさ」
決勝戦の相手は三年生だった。しかも全員バスケ部で、いつも一緒に練習してる先輩達。その強さはよくわかってる。
だからこそ、その強さを乗り越えて勝ちたい。
この球技大会から本格的に大介がポイントガードとして動き始めて、周りをよく見るようになっている。声もいつもより出ていて、しっかりと指示を出してゲームメイクが出来るまでになっていた。
「大介、リバウンド取ったら走れよ?」
「取るだろ?」
「まあな」
ニッと笑って戸川がタオルを首にかける。
その横にいる倉留には、ジャスティンが声をかけていた。
「ナオキ、インサイドは任せて平気だな?」
「あったりまえ!」
どん!と自信満々に拳で胸を叩く。それを満足そうに笑いながら、ジャスティンがオレに視線を向けてきた。
わかってる。
「ジャスティン、お前にパス出すから、スリー入れろ」
「ああ」
お前の逆サイドは固めてやるし、お前が外すわけがない。もしも外れたとしても、リバウンドを確実に取ればいい。
点差は8点、悔しいけど。でもこんなのすぐに追い抜いてやる。
体育館のステージに集まるクラスの奴ら。その中にいる一際目立つ創をちらりと見る。
「継、頑張って」
周りの歓声が煩い。
でも、そう呟くようにオレへと向けられた言葉は、まるで隣にいるかのようにはっきりと聞こえた気がした。
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