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愛でて愛でて
【ジャスティンside】
ああ、可愛い。このまま全部奪ってしまいたい。
きゅっとシャツを握る手が震えてる。ほんのり頬も火照って、大きな瞳には涙が滲んでいた。
可愛い。可愛い。可愛い。
この可愛いダイスケをもっと堪能したいところだが、こんな所で誰かが通りかかったりしてこの可愛い姿を見せてやるつもりもない。ダイスケの全てはオレのもの。その予定。………そのハズ。
名残惜しいけれど、ゆっくりと重ねた唇を離す。とろんとした潤んだ黒い瞳に灯った熱が冷める前に、その体を力いっぱい抱きしめた。
「ふ…苦し、」
「How cute!」
足に力が入らなくなったのか、その体をオレに預けて胸元に顔を埋めてくる。耳まで真っ赤にしながら、背中に手を回して縋り付くのがたまらなく可愛い。
さらさらとした髪を撫でて背中をぽんぽんと叩く。呼吸が落ち着いてきたのか、ようやく顔を上げてくれた。
「…何考えてんだよバカ」
「何って、ダイスケ可愛いとか欲しいとか?」
「しね」
「So much I love you…!」
「…………知ってる」
ちゅ、と鼻先にキスを落とせば、その何倍もの頭突きを肋骨に食らった。
ダイスケが照れたり恥ずかしがってる時にこうするってわかってるし、別に嫌じゃない。まあ少し痛いけど。
オレにだけする行動なんだって知ってるから。
それから、ダイスケが行きたがっていたCDショップへ行った。
ランチを用意してあるとヨシミさんから連絡があったので、ケーキをいくつか買って帰った。正直なところ、ダイスケを他の誰にも見せたくないので、もう帰りたかったから助かった、なんて本人には言えないけれど。
明日何も用事がなければ、このままもう一日泊っていいと言われたので、ありがたくそうさせてもらおう。だって、こんなに可愛いダイスケと離れたくない。
さて、どうやって可愛がってやろうか。
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