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【番外編】チョコレート味のキス

【創side】 「創、あーん?」 にこにこしながら継が椅子に座ってこちらを振り返る。なんだろう? とりあえず言われた通りに口を開けてみたら、いちごのポ⚪︎キーを口に入れてくれた。 これ、おれの好きなやつ。朝コンビニで買ってくれてたんだ。 「美味い?」 「うん。継は?」 「いる。ちょーだい」 ちょーだいって…箱持ってるのは継なんだけどな。 ………ああ、そういう事か。 「ん、」 「へへっ、いただきまーす!」 軽く歯で挟んで唇で支えながら突き出した先端から、継がぽりぽりと噛り付いてきた。 すっごい笑顔。可愛いなあ。 当然この先は予想通りで、教室のあっちこっちからカメラを向けられてる感じがする。でもまあいっか。 …ちゅ。 そんな音を立てて、唇に継のそれが触れる。 思わずぎゅっと瞼を閉じれば、くしゃりと髪を撫でられて、そのまま頬を包み込む手のひら。こつんと額が触れて、ゆっくりと閉じた瞳を開ける。 「家帰ったらもっとちょーだい」 「ん、わかった」 再び触れ合ったそこは、いちごの味がした。 ポッキーの日!

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