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五文字では足りない
【創side】
気が付くと継に抱きしめられながらベッドで寝ていた。
「ふふ、ヨダレ垂れてるよ?」
あどけない寝顔のその唇は緩く開いていて、そこからたらりと垂れたものが白く跡になっていた。
いつもはかっこいいのに、こういう時はひどく可愛くて愛しくて。抱きしめられてるんだけど、おれも継を抱きしめてあげたくなる。
継がおれの背中に腕を回しているので、おれは継の腰に腕を回し、ぎゅっと力を込める。目の前にいる継が、少し笑った気がした。
空いている手でそっと唇をなぞる。この唇が、いつもおれを幸せにする言葉をくれるんだ。
「継………愛してる」
ほんとは、そんな陳腐な言葉じゃぜんぜん足りない。
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