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答えは夢の中で

【創side】 「んーーーーー……わかんねぇ」 シャーペンをカチカチしながらじっと教科書に視線を落とす継の横顔を覗く。少し伏目がちな瞳のせいで、ちょっとかっこよく見える。 隣に並んだ机から身を乗り出して、継が教科書を差し出してきた。 「なあなあ、これどうすんの?」 「ああ、これはね、」 継が苦手な古文の意訳。わかりやすいように活用法をノートに書き出してあげて、ヒントだけ教える。答えを教えたらテスト勉強にならないしね。 うーん、と唸りながらも正解を導き出して、でも不安そうな目で見つめてくる。 あ、可愛いな。 「……合ってる?」 「うん、正解。よくできました」 そっとさらさらの髪を撫でて、嬉しそうに笑う継の頬に軽くキスをする。 すぐに離れるつもりだったのに、いつの間にか腕が引き寄せられていた。 ああ、やっぱり継へのご褒美はこれじゃ足りないよね。 重ねた唇の隙間から舌を挿し入れると、すぐに継の舌と絡み合う。ゆっくりとなぞってその形を確認して、軽く吸い付いた。 びくりと肩が震える継の頬をそっと包んで、体のラインに沿っておりていく。シャツの裾から指を侵入させて脇腹辺りを撫でれば、はあ、と熱い吐息が漏れた。 「ちょ、なに…創がすんの?」 「うん、だめ?」 「や、だめじゃないけどさ…」 むー、と唇を尖らせて見上げてくるのがとても可愛くて、兄バカだなあとか思ったり。 「創にされるのすげえ気持ちいからさ、オレ秒殺じゃん?超かっこ悪いし…」 突き出した唇にちゅっと重ねるだけのキスをすると、継が自分でシャツを脱ぎ捨てる。 かっこ悪くなんかないよ、ほんと。可愛くてかっこよくて、どうにかなっちゃいそうなくらい好きなんだ。 今からそれをいっぱい伝えよう。

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