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大丈夫、きっと大丈夫
【継side】
試合当日。腕の中にすっぽり収まる創の髪を梳く。指の間からさらさらと流れ落ちて、カーテンの隙間から覗く朝日が反射してキラキラ光った。
「創………」
可愛い。愛しい。食いたい。
最近は朝から晩までずっと部活で、創といれる時間がかなり減った。でも創が朝弁当作ってくれたり、休憩の時とかはすぐに電話したり、帰ってすぐに二人で風呂入って飯食って、そんで創をぎゅってして寝る。本当は創とヤりたいんだけど、試合近いのに無駄に体力使うなって創に言われたから、頑張って我慢してる。でも、正直なオレのちんこはもう限界なんですよ。
「…愛してる」
「………ぅ、ん…」
そっと創の鼻先にちゅっとして、力いっぱい抱きしめた。もぞもぞ動く創の瞳がゆっくり開いて、オレを見上げてくる。
ああもう、可愛すぎるんだけどっ!
「おはよ」
「ん…おはよぉ」
ごしごしと目元を擦って、オレに擦り寄ってくる。
ああーーーーー…………朝だからしょうがないよな、うん、無理。
勃った。
「………継、」
「哀しくなるからなんも言うなって…今は我慢するからさ、だから帰ってきたら覚悟しとけよ?」
「もう…でも夕飯はちゃんと食べてくれなきゃやだからね?」
しょうがないなあと苦笑しながらも、創はオレを受け入れてくれる。
軽く唇を重ねて、二人でベッドを抜け出した。
「…なあ創、あれして?」
ドアを開きかけた手を下ろして、くるりと振り返る。一段高いところにいる創が腰を折って屈むと、コツンと互いの額を合わせた。
「継なら出来るよ。大丈夫、きっと大丈夫…でもケガだけは気を付けてね?」
「………ん、大丈夫」
すう、と大きく息を吸い込んでゆっくり顔を上げると、額にちゅ、と創の唇が触れる。
緊張したり不安な時にする、子供の頃からしてるおまじない。効果は絶大だ。
「…よし、行ってくるな!」
「行ってらっしゃい、頑張ってね」
ふわりと微笑む勝利の女神に見送られて、熱い陽射しの中へと飛び出した。
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