323 / 507

大丈夫、きっと大丈夫

【継side】 試合当日。腕の中にすっぽり収まる創の髪を梳く。指の間からさらさらと流れ落ちて、カーテンの隙間から覗く朝日が反射してキラキラ光った。 「創………」 可愛い。愛しい。食いたい。 最近は朝から晩までずっと部活で、創といれる時間がかなり減った。でも創が朝弁当作ってくれたり、休憩の時とかはすぐに電話したり、帰ってすぐに二人で風呂入って飯食って、そんで創をぎゅってして寝る。本当は創とヤりたいんだけど、試合近いのに無駄に体力使うなって創に言われたから、頑張って我慢してる。でも、正直なオレのちんこはもう限界なんですよ。 「…愛してる」 「………ぅ、ん…」 そっと創の鼻先にちゅっとして、力いっぱい抱きしめた。もぞもぞ動く創の瞳がゆっくり開いて、オレを見上げてくる。 ああもう、可愛すぎるんだけどっ! 「おはよ」 「ん…おはよぉ」 ごしごしと目元を擦って、オレに擦り寄ってくる。 ああーーーーー…………朝だからしょうがないよな、うん、無理。 勃った。 「………継、」 「哀しくなるからなんも言うなって…今は我慢するからさ、だから帰ってきたら覚悟しとけよ?」 「もう…でも夕飯はちゃんと食べてくれなきゃやだからね?」 しょうがないなあと苦笑しながらも、創はオレを受け入れてくれる。 軽く唇を重ねて、二人でベッドを抜け出した。 「…なあ創、あれして?」 ドアを開きかけた手を下ろして、くるりと振り返る。一段高いところにいる創が腰を折って屈むと、コツンと互いの額を合わせた。 「継なら出来るよ。大丈夫、きっと大丈夫…でもケガだけは気を付けてね?」 「………ん、大丈夫」 すう、と大きく息を吸い込んでゆっくり顔を上げると、額にちゅ、と創の唇が触れる。 緊張したり不安な時にする、子供の頃からしてるおまじない。効果は絶大だ。 「…よし、行ってくるな!」 「行ってらっしゃい、頑張ってね」 ふわりと微笑む勝利の女神に見送られて、熱い陽射しの中へと飛び出した。

ともだちにシェアしよう!