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大丈夫、きっと大丈夫
【継side】
ほんとは創に応援して欲しかったなんて、実はものすごく思ってる。でも、クソ暑い体育館の中で、男どもの蒸し暑い怒号に晒したら、創が倒れる。つーか、オレがいやだ。あんな奴らの中に創をいさせたくない。
球技大会の時だって、あんな鼻血モノな格好してた創をすぐに連れて帰って、写真撮って、隅から隅まで食いたかった。でもちゃんと我慢して、試合中も気になりながら頑張った。
「あーくそっ、早く帰ってちゅーしてえ…」
がしがしと頭を掻いて、照りつける日差しの下を走り出した。
「だだいま…」
玄関に荷物を置いて靴を脱ぐと、一気に疲れが押し寄せた。そりゃそうか、準決勝までの3試合フルで出たしな。最後の最後に負けるとか、すげえカッコ悪い。先輩らに申し訳ない。でもそんな気分を「それならもっと強くなればいい」と一喝したのがジャスティンだった。
そのジャスティンは、最近は朝先に家を出て大介とコンビニに寄ってるらしい。夏休みの間もうちにいるもんだと思ってたけど、ほんとに大介んとこ行くって言って、今朝は少し早く出て、荷物を大介んとこに置きに行った。
まあ、これでやっとしばらく創と二人になれるから問題ないんだけど。
それより汗で体がベタベタして気持ち悪い。創が出迎えてくれないってことは、ピアノの練習してんのか。なんか、ちょっと、かなり寂しい。でもこんな汗臭いのに抱きついたりして嫌われたらイヤだし、先にシャワー浴びて来ようかな。
あ、着替え部屋だ。まあいいや。脱衣場で張り付くシャツを脱ぎ捨てて、ぬるめのシャワーを頭から浴びる。ざっと髪と体を洗って急いで体を拭くと、髪からポタポタ垂れる水滴もそのままに、腰にタオルだけ巻いて二階への階段を駆け上がった。
微かにピアノの音が聞こえてくる部屋のドアを勢いよく開ける。
「創っ!!」
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