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【番外編】クリスマスプレゼント
継の大好物の唐揚げに、カラフルなオレンジが可愛らしいサラダ。じっくり煮詰めたトマトソースを使ったミートソースのパスタと、一晩かけて低温発酵させた生地で作ったマルゲリータ。
創が腕によりをかけて作った料理をぺろりと平らげて上機嫌の継が、どこからかきれいにラッピングされたものを差し出した。
「プレゼント、今年はこれな」
「わあ、ありがとう!開けてもいい?」
ソファに腰掛けた継の膝に跨がり、ゆっくりとその包装をほどいていく。後ろから臍の辺りでぎゅっと抱きしめてくれるのを感じながら、中に入っていたものを取り出した。
「あ、チョコファウンテンのやつ⁉︎」
「おう、明日二人でやろうな」
「うん、ありがとう!」
嬉しそうに振り向く創の頬にそっと触れて、継の唇が一瞬だけそこに重なる。すぐに離れると、ふわりと創が微笑んだ。
ちょっと待ってて、と言い残して膝から下りると、白い紙袋を持って来た創が今度は向かい合わせで再びそこに収まる。
「おれからも。はい」
「サンキュ。開けていいか?」
「うん、もちろん」
紙袋から赤い袋を取り出して、緑のリボンを解く。中には鮮やかな水色のスポーツタオルが入っていた。さっそくそれを首にかけてみると、目の前でにっこりと創が微笑んだ。
「やっぱり継は水色が似合うね」
「大事にするな?ありがとう」
でも、と解いたばかりのリボンを片手に、創の頬にそっと触れる。
じっと視線を合わせて、緑のリボンを創の首にかけて結んだ。
「オレって欲張りだからさ、こっちも欲しいんだよな」
にやりといたずらに笑う継の髪を撫でた創が、その手のひらで柔らかな頬を包み込む。
上から覗き込むようにして鼻先が触れるくらいに近付いて、ふわりと微笑んだ。
「もらってくれる?」
「くれなきゃ泣く」
くすくす笑いながら、最高のプレゼントにそっと唇を重ねた。
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