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愛の飢えと体温の飢え
【創side】
おれを見下ろす継の瞳は、まるで獣みたいに獰猛で、だけどどこか優しさを孕んでいて。そんな眼で見られるだけで、お腹の中がずくんと疼いてしまう。
重なった唇からあっけなく舌が入り込んでくる。舌先を擦り合わせて、甘噛みされて、吸われて。それだけでもう頭の中がふわふわしてる。継の事しか考えられない。
「ふ、あ…ッン、けぇ…」
「ん…ココ、触って」
きゅっと手首を掴まれて導かれたそこは、タオル越しでもはっきりわかるくらい硬くなっていた。
「継…キスしただけで、こんなになっちゃうの?」
「なる。そんくらい好きで好きで抑えらんねえってこと」
にっと笑う継は、可愛くて、でもカッコ良くて。
愛されてるんだなあって実感した。
首筋を継の舌が這うようにして下りていく。くすぐったいけど気持ちいい。時折顔を上げて視線を合わせてくれる。そのたびに胸がドキドキするんだ。
「ナニ考えてんの?」
「ひぁんっ⁉︎やっ、ああ…っ!」
突然そこを強く吸われて、同時に脇腹あたりを指先で撫でられた。
ダメだよ、そんなに近付いたらドキドキが聞こえちゃう。
ぴちゃぴちゃと胸元から響く音が耳に入る。どうしよう、お願いだからどうかおれの心臓止まって…!
「なあ、何考えてんの?」
「ぅんっ、はあ…継の、こ、とぉ…」
「…オレ?」
不思議そうにこちらを覗き込んでくる、熱と欲の炎が灯った瞳。そんな眼で見ないで、溶けちゃうよ…
「ん…継が、かっこよくて…すごくドキドキするんだ」
「ーーーーーっ!あああああもう、なんなんだよこの可愛さはっ!」
ぐりぐりとおでこを胸元に押し付けてきて、なんだか継の耳が真っ赤になってる。おれ、何か変な事言ったかなあ?
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