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メッセージ
【継side】
創の作った曲は、ふわふわしてて、でもしっかりとした標題で構成されてる。途中で悩んだりもしたみたいだけど、創らしくて暖かい気持ちになる曲に仕上がった。
「創、こっち」
舞台袖に向かう創を廊下に呼び出して、ぎゅっと抱きしめる。額を合わせて髪を撫でると、安心させるように囁いた。
「創なら大丈夫、きっと大丈夫」
「……うん、ありがとう」
胸に擦り寄ってくる創の背中をぽんぽんとあやすように叩くと、大きく息を吸うのがわかった。
「継…ちゃんと、聴いててね?」
「おう、当たり前」
オレの腕の中の創は、いつもよりちっちゃくて、今にも消えてしまいそうで。
かたかたと震える手のひらをそっと繋いで、指先にちゅ、と唇を寄せる。
「け、ぇ…」
「………ここ、オレの気持ち入れたから。二人で弾けば大丈夫。な?」
「…うん!」
嬉しそうにふわりと微笑んで、その指先に自分でも唇で触れてる。
ああ、でも違うって創。お前の唇を重ねるのは、そこじゃない。
ぐっと細い腰を引き寄せて、暖かな唇に触れた。
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