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【番外編】はじめてのおつかい

「「いってきまーす!」」 今日は双子の創くん、継くんが、初めて二人でお買い物に行くことになりました。 明日は二人の誕生日。お母さんが創くんの大好きなプリンと、継くんの大好きなから揚げを作ってくれるので、スーパーでその材料を買いに行きます。 「けえ、くるま!」 「うわあっ、あぶなーい!」 「ほら、こっちおいで?」 狭い歩道を、小さな手を繋いで歩きます。道行く人を癒しながらとことこ歩いていると、向こうからお友達の大介くんとお母さんが来ました。 「あらー、双子だけ?お母さんは?」 大ちゃんのお母さんは、二人だけで歩いているのに気が付いたみたいでそう尋ねます。 「オレとそおだけっ!」 「うぉーっ、すっげー!」 「えへへ、おかあさんにプリンとからあげつくってもらうの!」 嬉しそうにそう話して、また歩き出しました。 すぐにスーパーに着くと、入り口でカゴを取ります。ですが、あれれ、小さな二人では高く積み上げられたカゴに手が届きません。 さあ、どうしよう? 「うーん、とどかない…」 ぴょんぴょんジャンプするのは弟の継くん。 冷静に周りを見渡しているのは、お兄ちゃんの創くん。あ、どうやら低い山のカゴを見つけたようです。 一つカゴを取り、再び手を繋いで店の中をウロウロ。 卵と牛乳、それに鶏肉を買ってくるように言われてます。 「わあ、みて!たまごのあかちゃん!」 創くん、それはウズラの卵です。それじゃあプリンはかなり小さくなりますよ。 「そぉ、このオレンジのだぞ!」 お母さんがいつも買っているのは、こっちの大人の卵です。 そぉーっとパックをカゴに入れて、お次は牛乳。 「これ、おかあさんかうやつ」 創くんが牛乳パックを一本抱えてカゴに入れます。 小さな体では、卵と牛乳の入ったカゴは重くて仕方ありません。 「そぉ、オレがもつ!」 「えっ、だっておもいよ?…あ、じゃあはんぶんこね!」 お兄ちゃんは考えました。どうすればこの重いカゴを二人で持てるか。 そうです、半分ずつ持てばいいんです。さすが双子!なんでも平等にするのが渡辺家の教育方針なんです。

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