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午前二時のコール
【創side】
あ、どうもこんにちは、創です。
継が学校で合宿があるのは聞いてたんだけど、ずっと嫌がっていて、どんなになだめすかしても説得しても、行く気になってくれませんでした。
うーん、どうしよう。
確かにね、おれだって継と離れて寝るとかありえないよ。でも、こればっかりは仕方ないでしょ?
お兄ちゃんだからね、我慢しなきゃいけないんだ。
「継、いい子で頑張ってきたら、ご褒美あげるね?」
ああ、おれってずるいなあ。こんな事言ったら継がやる気になるのわかってて、今まで言わなかったんだ。
継がおれと離れたくないって言ってくれてるのが、ほんとは嬉しくて。
お兄ちゃんぶってそれを隠して、なんとか継を送り出したあとの部屋は、ものすごく静か。
「…早く帰ってきてね」
ぽつりと零れた本音が、ぎゅっと胸に抱いた継のシャツに吸い込まれていった。
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