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二日目の昼

【継side】 「ねえ継、林先生の用ってなんだろうね?」 「ちゅーしたい」 「林先生と?」 「創しかいないだろ」 何言ってんだよまったく、そんな天然なところもすげえ可愛いけどさ。 首筋に顔を埋めて、なんかくんくんしてきた。 「ちょっ、創さんオレ汗臭いからやめて」 「なんで?継の匂い好きなのに」 そう言って、項にちゅーしてくる。なんか、やばい。 体格差がちょっとだけあるせいか、風呂入ってる時とか創が台所に立ってる時とか、いつもはオレが後ろから抱きしめる。そもそも創はオレに顔を埋めて抱きしめてもらうのが好きみたいだし、創からしてくる時は絶対前から抱きついてくる。 だから、今のこのシュチュエーションがすげえ新鮮で、正直なところ下半身にクる。 あー、意識しちゃったからもうダメだわ。 「…あれ、3階、今のところだよね?」 「ん」 「ねえねえ継さん、どこ行くの?」 「あっはっはー……ごめん、ちょっとムリだわ」 背中に背負ってる創が、耳元でくすくす笑いながら、耳たぶを唇で軽くはむってしてきた。 煽るなよマジで。 音楽室から聞こえてくる楽器の音を無視して、そのまままた階段を上がって行く。校舎は三階建てで、この上は屋上へ繋がる。 屋上には繋がってるけど、実際には別の階段から上がる事が多くて、今は物置きみたいになってて、使わなくなった机とかロッカーとか椅子とか、なんだかごちゃごちゃしてるから誰も来ない。 うん、誰も来ないんだよここ。
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