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合宿最終日

【継side】 一年がランニングの途中に買ってきてくれたコンビニのおにぎりを食べながら、ふとスマホを見る。あいつらには悪いけど、創が作ってくれたおにぎりが食いたい。 創がオレの試合の時とかに作ってくれるおにぎりは、中に唐揚げとか卵焼きとか入れてくれてて、食べるとすげえ幸せになるんだ。あと、とーぜん美味いし。 そんな事を考えながら、もそもそと機械的に口を動かしてスマホを操作する。あ、創からメールだ! 【早く会いたいから迎えに行っていい?】 なんだよそれ、そんなにオレに会いたいのか⁉︎すげえ嬉しいんだけどっ! もちろん反対なんかするわけない。すぐに返信して、残りのおにぎりを口に突っ込む。ぐしゃぐしゃとビニールを丸めて捨てると、荷物を整理した。 解散したらすぐに帰る! 「梅ちゃん!解散何時っ⁉︎」 「おぉ?10時の予定だけど、まあラストのゲーム次第だな」 「ぅおっし!おいお前らっ、気合い入れてくぞーっ!!」 かっこいいとこ見せて褒めてもらうぞ! 創にこの後ゲームやって解散だってメールしたら、すぐに支度して来るって返信があった。ふと頭を触ると、ぴょこっと髪が飛び出てる。 「ちょっ、誰か!コレどうにかしてっ!」 寝癖とかくそ恥ずいんだけどっ! 爆笑する戸川が何かのスプレーを鞄から出して来てくれて、後ろから寝癖を直してくれた。 「ほんと、兄ちゃん大好きだなお前」 「大好きじゃねえよ、愛してんだよ」 「はいはいごちそーさん」 すげえ棒読みだなお前。 合宿の仕上げのゲーム。オレ、大介、倉留、戸川のいつものメンバーに田口を加えたスタメン。ジャスティンは梅ちゃんの横でメモ取りながら見てる。 相手は他の2年と1年の混合メンバーで、入れ替え自由。 時計を見れば9時ちょうど。 「うっし、やるか!」 ぱちんと両手で頬を叩いて、センターサークルに向かった。 「ジャスティン、ゲーム中は体育館の外から見てろって、お姫様に連絡しといてくれな?」 「ボス、もう連絡済みですよ」 梅ちゃんとジャスティンがそんな事を話してるとも知らずに、試合開始のジャンプボールに跳んだ。
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