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合宿最終日
「今回の合宿で皆それぞれ修正ポイントが明確になったと思う。ジャスティンに聞ける事は何でも聞いておけよー。8月は練習試合たっぷり組んであるからな」
久々に顧問の菅原先生が顧問らしく偉そうに言ってるけど、Tシャツに短パン姿だからあまり偉そうに見えない。
ちらりと壁際にいるおれに視線を寄越して手招きされた。なんだろう?呼ばれたんだよね?
とりあえず先生の元に行ってみると、くるりと皆の方を向かされた。えっ、なに⁉︎
「お兄ちゃんがマネージャーになって欲しいひとーっ!」
「はっ?えっ、ちょ…!」
いきなり何を言うかと思えば、まだ諦めてなかったんだね…
継がつかつかと前に出てきて、肩に置かれた先生の手を払って抱きしめてくれる。
「だめだっつーの!オレのだし…」
「ま、冗談はさて置き、食事の支度とかありがとうな。すごい助かった」
「あ、いえ、それは大丈夫です」
おれが継に会いたかったからだもんね。
継の背中をぽんぽんと叩いてあげる。おでこスリスリしてきて可愛いなあ。
「よし、じゃあ皆お疲れさん。一週間休んで、またビシビシ行くぞ!」
「「「「ありがとうございましたーっ!」」」」
部員全員がしっかりと頭を下げて、夏合宿が終了。
「創、早く帰ろう」
「あ、ちょっと買い物してっていい?」
買い溜めするから、いっぱい愛してね?
そう耳元で囁くと、すぐに腕を引かれて体育館を飛び出した。
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