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目も、耳も、口も、ぜんぶ
「ぁ、ん…っふ、んんっ…」
「っはあ、創…可愛すぎんだよマジで」
つうっと顎に伝うものを舌先で追って舐め取ると、とろんとした瞳で見上げてくる創と視線がぶつかった。
人混みを抜け出したオレはそのまま創の背中を押して、近くのトイレに入った。幸いにも屋外プールで次のショーが始まるらしく、人通りもまばらになっている。
一番奥にある個室のドアを閉め、戸惑う創の唇を噛み付くように塞ぐ。薄く開いたままのそこから舌を捩じ込んで、引っ込んでいる創のと絡めた。
きゅっとオレのシャツを掴んでくる手のひらを開いて、それをオレのと絡めるように合わせる。暖かい手のひらから熱が伝わってきて、それだけで興奮する。
創の服の裾から反対の手を突っ込み、そっと肌に触れていく。何度触れても、この瞬間が堪らない。オレのこの手のひらが創を翻弄していくんだと思うと、大事にしたい反面めちゃくちゃにしてやりたくもなる。けど、今はこの狭い個室の中。創の体を傷付けないように、大事に扱おう。まだペンギンだって見てないし、足腰立たなくすんのは帰ってからだしな。
「創…コレ、着けて」
ジーンズのポケットから取り出した小さな四角いパッケージ。端の部分に歯を立てて破り、中に入っているものを摘んで創に見せる。
「もう、しょうがないなあ」なんて苦笑しながらも、オレのジーンズの前を寛げて、完勃ち寸前のちんこにゴムを着けてくれた。同時にオレも創のジーンズを下ろし、緩く勃ち上がりかけてるそこに手を伸ばす。柔らかくて甘い唇をぺろりと舐めてから、クチュクチュと舌を絡ませながらそこをしごいてやれば、すぐに形を変えていく。可愛すぎる創の喘ぎ声を奪いながら、同じようにゴムを着けた。
「んんっ……ぁ、それ、だめ…っ!」
「ダメじゃないだろ?ほら、ちゃんと握れって」
「ふぁあっ、や…ッン」
体を密着させて、二人分の質量を創の手のひらで触れ合わせた部分を包み込む。その上にオレも片手を重ねて、ゆっくりと上下に動かした。
少し擦るだけでもぴくぴくと揺れる体をぐっと引き寄せ、敏感な耳朶を唇で挟んで甘噛みしてやる。「気持ちい?」わざと低い声でそう囁くと、こくこくと頷くのがもう可愛すぎて、このまま創に突っ込みたいのを頑張って堪えるオレ偉い。
「創、こっち向いて」
「っン…ぁ、ふ……!」
「…帰ったら、挿れていい?」
呼吸の合間にそう聞いたけど、返事なんかどうでもいい。だって、何て答えるかは分かってるから。
もう一度深く唇を重ねて、扱き上げる手のひらに力を込めると、一瞬だけ創の体が跳ねる。一際高くなる可愛い声を全てオレの唇で奪い取り、がくがくと震える体をしっかりと支えた。
「創のぜんぶ、帰ったらちょうだい」
とろんとした目の創を抱きしめてから、ゴムを外して服を整えてやる。呼吸が落ち着いたのを見計らってトイレから出て、壁際に設置されたベンチに並んで座った。
こてんと肩に凭れかかってくる創の髪を撫でて、そこに唇を寄せる。
「おれのぜんぶ、継のだよ」
知らなかった?なんて微笑んでくれるから、手始めにその柔らかい唇をまた堪能しようと頬に手のひらを添えた。
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