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第5話
【創side】
今こうして乗しかかっている継は、おれの双子の弟。
無理やり引っぺがしてハンガーに掛けてあるワイシャツを羽織ると、第一ボタンまできっちり留める。そうしないと、この独占欲の強い弟が付けた痕がばっちり見えてしまう。
けど、それがイヤじゃないなんて言ったらもっとたくさん付けられるので、絶対言ってやらないけどね。
「継、ネクタイ曲がってるよ」
「ん?おう」
おいで、と手を伸ばせばトコトコと近寄ってくるその姿が、まるで犬みたいで可愛くて仕方ない。
おれは継のネクタイをしっかり締めてやると、近付いた唇に触れた。
「継、大好き」
「っ、マジで今晩寝かせねえからな!」
まあ、今日は金曜日。明日は休みだし、別に構わないけどね。
寝癖のついた継の髪を撫でながら、朝食にするため部屋を出た。
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