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採寸

「はいはーい、ちゃちゃっとやっちゃって〜!」 呑気な林先生の声が人垣の向こうから聞こえる。おそらく手芸部であろう皆さんに囲まれて、手や足、肩や腰周り、ありとあらゆる部分を計られた。 あれ、やっぱりこれ、あの時と一緒だ。 頭の中に思い浮かんだ、球技大会のあの光景。あの時もやっぱりこうして囲まれたんだったっけ。まあ継が喜んでくれるなら何だって着るけど。 でも、太ももはちょっとやだな、擽ったい。継が触ってくれるのはイヤじゃないのに。どうせなら継が採寸してくれたら良かったなあ、なんて。 「あの、おれの衣装とか何か作るんですか?」 「うん、楽しみにしてて!」 にっこりと、ううん、違う、ニヤリと笑った部長の立川先輩。あ、この笑い方、継みたい。何か企んでる時の笑い方。 まあ、たしかに長峰さんの代理とはいえ、長峰さんの衣装を着るにはサイズ的にも無理があるし、新たにおれの分だけ作るんだろうけど。 ちらっと内藤さんに視線を移せば、ぱしんと肩を叩かれた。 「悪いようにはしないから大丈夫よぉ!」 「うん…」 そう言って楽しそうに色々とメモしてるけど、やっぱり内藤さんも継みたいに笑ってる。 立川先輩と時折話しながら、なぜかポーズを指定されて写真も撮られた。 ホントに大丈夫かなあ…?

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