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アイスが溶けていくみたいに

☆☆☆☆☆ すぐに深くなる寝息を確認して、そっとそこに口付ける。薄く開いたそこからほんの少しだけ舌を差し込んで、唇の裏側をぺろりと舐めてから離れた。 繋いだ手のひらをぎゅっと握ると、無意識のうちに力が込められるのがものすごく嬉しい。 「創……どんだけ好きか、わかってんのか?」 くうくうと寝息を立てて安心して意識を手放す自分の半身。そっくりだけれど、でも違う。例えばそれは性格だったり食の好みだったり。 さらりと音を立ててシーツに零れ落ちる髪の柔らかさ。 ふわりと微笑んだ時の包み込む空気。 少しだけ高い、そして甘い声。 可愛い顔して実はホラー映画が好きだったり、かと言えばふわふわもこもこの動物が好きだったり。 同じだけど、違う。そんなところも含めて全てが愛しいと思う。そんな事を考え始めたら止まらなくなった。 「創、好き、すげえ好き…なあ、早く起きろよ…」 自分が無理をさせたから、きっとまだ起きられないのはわかってる。でも、早くその瞳に自分を映してほしくて。早くその甘い声で名前を呼んでほしくて。 一度溢れたその想いは、まるでアイスのようにどんどん溶け出していた。
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