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二人でデート
ファーストフード店を出てショッピングモールを並んで歩く。すれ違う人がみんな創を見ている。
オレの創を見んな!
そう叫んでやりたいけど、そうもいかなくて。
オレの創なのに。出来る事なら腕の中に閉じ込めて誰にも見せたくない。でもこんなに可愛いオレの創を自慢したい。
なんだこの矛盾。
「継、こっちから行こ?」
ぐるぐる嫉妬の無限ループに陥ってしまいそうなオレの腕を、創がにっこり笑って引っ張る。
こっち、と連れられたのは上のフロアへ続く階段。だけどほとんどの客はエレベーターやエスカレーターを使うため、あまり人気がない。
「創?どうし…」
どうした?と聞こうとした口を塞がれた。目の前には満面の笑みで微笑む創。
不意打ちでちゅーされちゃったよ。
「そぉ…」
「継、ものすごく妬いてた」
ふふ、と笑って、首すじに顔を埋めてくる。
壁に背中が当たるのがわかった。なんだかわかんないけど、とりあえず創の腰に手を回すと、創もぎゅっと抱きしめてくれる。
「…っていうのはウソ。おれが妬いたの」
もう無理。マジ可愛い!
「みん、な…継の、こと、…んぅ、見てた」
キスの合間に創が言葉にする。
かくんと足の力が抜けてしまった創の腰をしっかり支えると、オレに寄りかかってきた。
「継はかっこいいから、みんなに見せてあげたいけど、でもおれのだから見せたくない…」
「ははっ、オレと同じ。オレも、自慢したいけど隠しときたい」
上目遣いでじっと見上げてくる創の前髪をかきあげて、露わになった額にちゅっと唇を寄せた。
擦り寄ってくる創の可愛いさはマジ天使!誰にも見せたくない!
思わずぎゅーっと抱き締めると、腕の中で創がくすくす笑い出した。
「ふふ、継、ココ」
「言うな、へこむから」
ええ、勃ちましたとも!
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