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君のハートを射てばいい
【継side】
「いやーん、似合うじゃないのよ継ちゃん」
「サンキュー、好美さん!」
今日は地元の夏祭り。毎年こうして好美さんに浴衣を着付けてもらって、大介と三人で出掛けていた。でも今年は創と二人。なんでかって?そりゃいつでも創と二人がいいに決まってる。まあ、今年はアイツが大介の相手してくれるしな。
先に浴衣を着ていた創の前でくるっと回ってポーズを決めてみる。恥ずい。でも創ならきっと。
「ふわぁ…継、すっごくカッコいい…!」
「へへ、創も超似合ってる!」
ぎゅうぎゅうに抱きついてくる創の髪を撫でたところで、「さあさあ二人は先に行っておいで!」と好美さんに追い出された。
オレ達を先に着付けしてくれたおかげで、創との時間が少し増えた。ありがと、好美さん。
ドアを開けるとムッとした空気が体にまとわりつく。
「暑いねぇ〜」
「ヤバい、暑い」
お互いそう口に出したものの、同時に差し出された手のひら。
笑い合いながら、当然それを重ねて歩き出した。
まだ日も落ち切っていない。なるべく創を影に入れるようにしていたら、ぎゅっと腕にしがみついてきた。
「…暑い?やだ?」
「オレが今まで一度でも拒否った事あるか?」
「ううん、ない」
今まではもちろん、これから先だって絶対あり得ない。
くしゃりと髪を撫でてやると、嬉しそうに笑ってくれた。
さて、創の好きな綿あめとりんご飴、どっちから先に買ってやろうかな。
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