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消えなくて良かったのに

【継side】 「創っ、ただいまっ!」 今日はバスケ部の練習はあるのに吹奏楽部は休み。創が一人で家にいるから、炎天下の中をダッシュで帰ってきた。 リビングに入ると、汗だくになったオレを見てふんわりと笑ってくれる創にぎゅうぎゅう抱きついてからはっとする。 「やべっ、オレ今すげえ汗臭いよな!風呂ってくる!」 「え……やだ、行っちゃやだ…」 慌ててぱっと離れたオレの肩に顔を埋めて額をぐりぐりしてくる創がもう悶えるくらい可愛くて、でもこんな汗でびっしょり濡れたままのシャツで抱きしめるとかできないし。 ぐっと堪えて髪を撫でると、おずおずと顔を上げてキスしてくれた。創からちゅーしてくれんのが嬉しくて、ついさっきまでぐるぐる考えてた事を忘れて抱きしめる。そのまま深いところまで舌を差し込んで、細い腰を支えながらソファーに倒れ込む。 「け、え…?」 とろんとした目で見てくる創が可愛くて堪んない。 捲られたハーフパンツの裾からのぞく白い太腿に手を滑らせると、びくりと震える体。何日か前にオレの付けたしるしは、創の白い肌と同化してしまっていた。 創はオレのだっていう、独占欲の現れ。いくつも付けたそのしるしは、消えたらまた付ければいい。 「……やっぱやめた」 「え、なに、が?」 「どうせまた汗かくし、後で二人で入ろうな?」 創の耳元でわざと低い声で囁いてやると、真っ赤な顔でこくりと頷く。 そんな可愛くて仕方ない創の全身にオレの名前でも書いときたい気持ちを抑えて、首筋に吸い付いた。

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