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一口ちょうだい
【継side】
来た!創来た!
創と一緒に食いたいから、オレ座って待ってた!
さっきちゃんと手も洗ったし、もう準備ばっちり!
「創、早く!」
「あれ、溶けちゃうから先に食べてればよかったのに」
「何言ってんだよ、一緒に食う」
ぐいっと創の腰を引き寄せて足の間に挟み込んで座らせる。後ろから抱え込むみたいにしてぎゅっと抱きしめてから、テーブルの上に置いていた創のかき氷のカップを手渡した。
「ほら、早く!」
「はいはい、ありがと」
くすくす笑いながら受け取る創。くそ、可愛いな!
カップの中の氷をざくざくして、薄く色付いたそれを口に運ぶ。すぐに頬がゆるんで、美味いんだなあってわかった。
オレもスイカ味のアイスの先端に噛り付くと、甘い香りが口の中に拡がる。んー、やっぱ夏っつったらコレだよな!
「ほい、食う?」
「ありがと。継にもあげる」
創の口元にアイスを差し出すと、創もスプーンに乗せたかき氷をオレに差し出してきた。ぱくりとそれに食いついて、創が口を開けるのをじっと見る。ちらりと赤い舌が見えて、なんかちょっとエロい。
唇をぺろりと舐めるのを見た瞬間、やっぱり我慢できなくて。
「創、もう一口ちょうだい」
創がスプーンを口に入れたところを見計らって、そっから直接奪い取ってやった。
ああ、やっぱり、めちゃくちゃ甘い。
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