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目は口ほどに物を言う
「…美味い?」
「ン、不思議な組み合わせだな!」
パンと焼きそば。本来ならば出会う事がないはずの二つのもの。
俺とジャスティンみたいだ、なんて思いながら口に含んだコーヒーは、さっきとは違い少しだけ甘く感じた。
「あ、そういやオレら菅原に呼ばれてた」
「そうだね、ちょっと行ってくる」
創がクリームパンを食べ終わったのを見計らったのか、継がぽん、と手のひらを打って担任に呼び出された事を告げる。
ガタガタと椅子を戻して、行ってきまーすと教室を出た。
残された俺とジャスティン。視線を合わせると、どちらからともなくぷっと吹き出していた。
「ははっ、あの二人、学校でもいつも一緒なんだナ」
「ああ、二人セットで動いてる」
不思議な組み合わせの、オレとジャスティン。だけど、きっとうまくいく気がした。
「一ヶ月あいつらんトコにいんだろ?」
「Yes。一ヶ月で、ダイスケの事をもっと知りたい」
熱を持ったその碧い瞳に映る自分は、今どんな顔をしてるんだろうか。
友人が増えるという事は、単純に嬉しい。こんなふうに相手も望んでくれるなら更に。
「一ヶ月後、ダイスケのココはオレでいっぱいになる」
「っ、と…もだちとして、だよ、な?」
オレの問いかけに、ジャスティンはただ不敵に笑った。
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