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蛇の道は蛇
【大介side】
なんだコイツ??
それが最初に思った事だった。
「なあ、ジャスティンてどんな奴?」
「変な奴」
「即答だな」
部室へ向かう途中、隣を歩く継に聞いて見た。まあ予想通りの答えが返ってきたけど。
「オレと創の事を話した頃からかな、やたらと創にちょっかい出してオレを弄るようになったの」
「へえ、それで…」
教室での三人のやり取りを思い出して、妙に納得がいった。
楽しそうなジャスティンと困った顔の創、そしてヤキモチでいっぱいの継。実に微笑ましい光景。
「でもそれって、創に気があるからじゃねえの?」
「…違う」
俺の目をまっすぐに見つめて、真面目な顔で否定の言葉を返す継。
思わず足を止めてしまった。いや、歩けない。
「ジャスティンは…いや、なんでもない」
早く行こうぜ。そう言ったきり黙り込んで歩き出した継の背中を呆然と見つめながら、重くなった右足を踏み出した。
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