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準備期間

「メニューはケーキやドリンクを中心に、サンドイッチとかパンケーキを考えてます」 次の日から、ホームルームの時間を使って話し合いが行われた。 正木が黒板に書き出していくのを見ながら、頭の中でフリフリの服を着た創を想像してみる。ぐああっ、超可愛いなオイ! 「ちょっと継君帰ってきて」と苦笑するクラス委員が、当日のスケジュールを渡してくれた。 「え、何これ、オレと創のとこ空白なんだけど」 他の奴らは交代時間なんかが書いてあるのに、オレ達のとこは何も書いてない。ほら、創も不思議そうに首を傾げてる。 「あ、二人は好きなようにイチャついててくれればいいから」 「いやいや、何それありがたいけどハブられ感満載」 「その代わり、お客さんの要求には極力応えてね」 正木がニヤニヤしながら別の紙を渡してきた。受け取って創と一緒に読む。 んーと、お客さんとの写真撮影に、オレ達二人の写真撮影?や、別にいいけど…? これが何かあんのか? 「はいはい、んじゃ次に教室の配置ね」 そう言って正木がテーブルや受け付けの配置図を配る。一見普通に見えたそれだけど、いやちょっと待て。 紙の真ん中に【双子】って書いてある……? 「なあ、これナニ?」 「双子エリア」 「だからそれ何だよ」 「そのまんま。お兄ちゃん、いっぱいケーキ食べていいからね」 正木のこの一言で、不安そうにしていた創がぱっと顔を上げて、オレの方を嬉しそうに見てきた。うあー、襲いたい! なんでも、コンセプトは【優雅で癒しのひととき】らしい。要はしっかりおもてなしして美味いもん食ってのんびりしてくださいって事か? なんかよく分かんないけど、とりあえず創と一緒にいれるってのは分かった。
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