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甘いのは君

【創side】 なんとなく。なんとなーくキスされるなとは思ったけど、あえて拒まなかった。 ほんとはしてほしかったから。 ぺろっと唇を舐められただけじゃ、ちょっと物足りないんだけどね。 ジャスティンとダイちゃんが呆れた顔で見ていて、早くこの二人もそうなればいいのに、とか思ったりして。 「まったくもう…」 「はは、こっちも食うだろ?」 「…ん」 口元に差し出されたのはチョコのクレープ。生クリームにチョコソースがかかっていて、こっちも美味しそう。 きっと継は、おれがどっちも食べたいの分かってて両方買ってきたんだろうな。 ほんと、どこまで甘やかしてくれるんだろうね。 ぱくりとかじると、口の中に広がるチョコの味は継と同じくらい甘かった。

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