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【番外編】とびきり甘いクリスマス
「ねえ継、もうちょっと甘くしてもいい?」
エプロン姿でぱたぱた動き回る創の後ろ姿をじっくり眺めていたら、生クリームを泡立てようとしていた創がこっちを向いてそんな事を聞いてきた。
毎年クリスマスには創お手製のケーキが食べられる。もちろんその他の料理も全部創が作ってくれるし、売ってるモンより断然美味い。
泡立て器から指の先っぽにちょん、と付けた生クリームになる前の白い液体を、紅い舌でぺろりと舐める創。うわあ、それはヤバいだろ。
で、当然のようにオレにもそれをしてくる。
目の前に差し出された、創の細くて長い指から伝う白い液体。手首を引き寄せて、人差し指を口に含んだ。
「…んっ、けえ、」
「んー?」
「ゆびっ、ちょ…っ!」
もちろんオレがそれで終わる筈もなくて。指を咥えたまま舌を這わせて少し歯を立てると、びくりと震える肩。
ぬあー、今ここで食いたい!創食いたい!!!!
けどそんな事したらぷりぷり怒るのわかってるし、ご機嫌を損ねないうちに止めとこう。まあ、そんな創も可愛いんだけどな。
「創がいい感じにしたらいいだろ?何したって美味いんだし」
「…ありがと」
今夜はオムライスにサラダ、ローストチキン、そして苺がたっぶり乗ったケーキがテーブルに並ぶ。
でも、メインディッシュはいつだってオレの目の前にあるんだ。
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季節外れですが、前サイトでこのタイミングに書いていたので…
メリークリスマス!
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