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準備期間
二人並んで教室に戻れば、一瞬の静寂の後に大歓声が沸き起こって、女子達に囲まれた。手芸部が衣装をチェックして、創にウイッグとかリボンとかヒラヒラした何かを付けて満足したのか、ようやくOKが出た。
すぐにあちこちからシャッターの音が聞こえてくる。別にもう気にしてないけど。だってこいつらは良い写真が撮れたら、ちゃんとオレに送ってくれるし。
「ヤバい、お兄ちゃん超可愛い!」
「当たり前だろ、オレの創なんだから」
「あ、継君もかっこいいよ」
「ついでかよ」
ため息を吐いて創を見ると、ふわりと笑ってくれた。あーマジ可愛い!
きゅ、と繋いだ手に力が込められて、上目遣いに見られたらもう堪んねえだろ!!!!
自分の椅子に座ってぽんぽんと膝を叩くと、スカートを気にしながらも素直にそこに乗ってくる。このちょこんと横向きに座るのがまた可愛いんだよ!!!!なんだこの天使!!!!
「はいはーい、じゃあ明日は頑張ろうね〜!」
「おー!!!!」
基本的にうちのクラスはノリもよくて皆で団結する。特にこういった祭りみたいな行事は好きで、楽しく騒ぐ。まあ担任がそういうの好きだから、皆ノリやすいんだろうな。
今回のカフェも、売り上げトップなら菅原先生の奢りで打ち上げやるって言われて、クラスのテンションが一気に上がった。つーか、売り上げって言っても飲食店の売り上げなんかタカが知れてんだろ、と思ってたら、なんか、オレの想像力が足りない事を実感したのは当日だったんだ……
うん、やっぱうちのクラスすげーわ。
単なるカフェじゃなかった。
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