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知らない番号

【ジャスティンside】 見知らぬ番号からのコール用に鳴る着信音。もちろん、相手は誰だか予想がつく。 早く出なきゃと気ばかり焦ってしまい、なかなかバッグから取り出せない。 やっとの思いで握りしめて、急いでボタンを押す。 「Hello?」 『………………俺』 長い沈黙の後、やっと聴こえた声。誰かなんて聞かなくてもわかる。 もう家に着いたのだろうか、後ろで家族の声がする。 なかなか話し出さないので、こちらから沈黙を破ってみよう。 「ダイスケ…I'm glad to me to phone…」 『べっ、別に用事なんかねーけどっ!』 「ああ、わかってる」 こうして電話くれた事が、予想以上にオレは嬉しいらしい。 『これっ、俺の番号だから登録しとけよなっ??』 「ああ、サンクス」 『じ、じゃあ、また明日な』 「ああ、今日はありがとう。楽しかった」 『っ!じゃーなっ!』 ああ、切られてしまった。 愛しさを込めてリストバンドにキスをして、はっと気付いた双子の視線。 「ジャスティン、すげーニヤけてる」 「うん、すごい嬉しそう」 「当然だ、嬉しいからな」 画面に残る知らない番号をダイスケの名前で登録して、もう一度リストバンドにキスを落とした。

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