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お気に入り

昨日ダイスケにもらったリストバンド。あれからずっと手首に付けて寝たら、夢にまで出てきた。 相当浮かれてるな、なんて自嘲しながら、双子の待ってるリビングで朝食を済ませる。 「お気に入りだね、それ」 「ああ、my favorite!」 左手に付けたそれを右手で撫でて、そっとキスをする。呆れたような顔でケイが見てくるが、自分だって同じような事するじゃないかという言葉をトーストと一緒に飲み込む。 ソウが作ってくれたスクランブルエッグはほんのりと甘くて、朝から和やかな気持ちになった。 「なあ、部活出んの?」 「ブカツ?」 「クラブだよ。こっちいる間もバスケするでしょ?」 期限付きの留学生という立場ではあるが、クラブへの参加はOKらしい。 となると、答えは一つ。 「ああ、ダイスケもいるしな」 「結局それかよ…」 「あはは、ベタ惚れだね、ジャスティン」

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