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積木祭
【創side】
うーん、幸せだなあ。継はかっこいいし、ケーキは美味しいし、継はかっこいいし…って、あれ、また?
とにかく、この衣装にさえ慣れてしまえば、今日はおれにとっては楽しい事だらけだ。ただ、逆にこの衣装のせいで継がいつも以上に注目されてるのはイヤだけど……
継はおれのだもん、ほんとは誰にも見せたくない。でも、こんなにかっこいいおれの継を自慢したい。はあ、矛盾してるなあ…
「創くん、ごめん、そろそろ時間……」
継の肩口にすりすりしてたら、遠慮がちに長峰さんが声をかけてきた。あ、もうこんな時間だ。
まだ継とくっついてたい。でも、ミーティングもあるし、もう音楽室に行かなきゃいけない。
ゆっくりと顔を上げれば、継がおでこにちゅってキスしてくれた。
「そんな顔すんなって。行かせたくなくなる」
「継…ちゃんと見ててくれる?」
「おう、とーぜん」
そう言って、いつもみたいにおでこをコツンと合わせて腰を引き寄せてくる。
「大丈夫、きっと大丈夫。創ならできる。な?」
「……うん、ありがとう」
ニッと笑った継が、そっと膝から降ろしてくれた。絡めた指が暖かくて、そこから継の自信を分けてもらってる気分。
じゃ、行くぞ。と歩き始めたところに、後ろから大ちゃんの声がした。
「おい、どこ行く気だよ?」
「創送って来る」
「てめーは居残りだ!」
「はあ!?ふざけんな!」
「てめーがふざけんな!!!!」
継と大ちゃんが言い合ってる。側から見れば執事とメイドのケンカ。
どうしようか悩んでいたら、向こうのドアのところで長峰さんが手招きしてる。
……ごめんね、継。行ってきます。
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