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積木祭

「そっ、そぉセンパイ……っ!」 真っ赤な顔でわたわたしてる新井君の頭をギプスでチョップする長峰さん。そして、手芸部の皆が細かい部分をチェックしてくれた衣装を着込んだおれをひたすら写真に撮る林先生と部員の皆。 うーん、早くミーティングしたいんだけどなあ… 吹奏楽部の演奏の時の衣装は、シンプルなジャケットとシャツ、それにプリーツスカート。それにしても、もうスカートも履き慣れちゃった。このスースーするのはまだ恥ずかしいけど、頑としてスカートの長さを継が譲らなかったおかげで、かろうじて膝が隠れるくらいはある。ひらひらと裾を弄ってみても、あまり違和感を感じなくなってきた自分に苦笑が零れた。 ちらりと時計を見ると、もうあまり時間がない。やっとそれに気付いた林先生が、パンパンと手を叩いて皆を注目させる。こういうところは、やっぱり先生なんだなあ。 いつもはなんだかくねくねしてたりするけど、音楽に関しての質問にはすぐに答えてくれる。もちろんピアノの腕前だってピカイチ。おれもこんな風になりたいな… 「さーてと、可愛い創ちゃんに見惚れるのはここまで!はい、集まる〜〜♩」 そんな林先生の号令で皆が集まる。自然と円になって、なぜかおれと林先生、そして長峰さんが中心にいた。 ぐっと皆が寄って、隣同士で肩を組む。まるで運動部みたい。 周りを見渡した林先生が、ゆっくりと諭すように話し始めた。 「さ、今日はいよいよ本番よ。言いたい事は一つだけ。皆で楽しく音を出しましょ!」 「おおーーっ!」 音を出す事を楽しむ。聴く事を楽しむ。それは音楽の根本にあると思う。一人で演奏するのも楽しいけど、皆がいればもっと楽しい。聴いてくれる人がいれば、もっともっと楽しい。 参加して良かったと心から思えるように、しっかりタクトを振って来よう。

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