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望んでみなよ、叶えてあげる
【ジャスティンside】
ケイがクラブのコーチ?に話しをしてくれて、ここにいる間オレも参加させてもらえることになった。
というか、オレにコーチしてほしいと逆にコーチから頼まれた。
「しゅーごー」
キャプテンだというセガワ(瀬川透というらしい)が、センターサークルに皆を集めて整列させた。
顧問(というとダイスケに聞いた)の梅原に一歩前へ出るように促され、その通りにする。
「今日からしばらく、全米選抜のロー・ジャスティンが仮入部するぞー。なんかあれば教えてもらえなー」
「ポジションはポイントガード。でも技術はトップレベルだから、シュートでもドリブルでも、何でも盗んでおけよ?」
セガワがオレの肩に腕を伸ばしてぽんぽんと叩く。痛い。
オレのプレイを認めてもらえるのは、ものすごく嬉しい。
けど、それを教えてやれるほどの心の広さは持ち合わせていない。ただ一人に対して以外は。
「ジャスティンっ!」
訴えるかのように見つめてくる茶色い瞳。
少しだけ戸惑ったように視線を彷徨わせ、やがて決意したのか、すう、と一つ息を吸い込んだ。
「先生、俺、ジャスティンにシュート教えてもらいたいです」
ダイスケが望むなら、いくらでも叶えてやるよ。
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