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紅色の爪先

「あとでテーピングしような」 「う、ん………」 ちゅうと音を立てて滲む血を吸い取られると、そのまま指を絡めてくる。 碧い瞳に見つめられて動けない俺の体は、ぴったりと壁に張り付いたまま。 ゆっくりと重なった唇からは、鉄の味がした。 ここが学校だとか、今が部活中だとか、……俺達が男同士だとか、そんな事は完全に頭から飛んでいた。 唇を触れ合わせたままで、ジャスティンが繋いだ手とは反対の手で俺の頬を撫でる。碧い瞳に映る自分の顔を見れなくて、そっと目を閉じた。 「イヤなら言って、止めるから」 「…いや、じゃ…ない…」 「ダイスケ…I can not stop kissing……」 「止めんな、ばか…」 離れていく吐息を追い掛けるように、自分から腕を伸ばして抱き寄せた。 「煽るな、silly…」 「煽ってなんか、ん…ッ」 反論しようと口を開けたタイミングに合わせて、ぬるりとしたものが侵入してきた。それがジャスティンのものだと気付いた時には、もうどうにもならなかった。 舌先を擦り合わせて、突つかれて、唇の裏側や上顎のあたりをなぞられて。その度に鼻から抜けるように零れてしまう自分の声を抑える事が出来なくて、絡められた指先にきゅっと力を入れる。 「ぅ、ん、…ふ、あ………っ、」 「っは、ダイスケ…」 握り返してくれるから、それがすごく嬉しくて。 こいつと、離れたくないって思った。
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