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虚ろな瞳で描いた夢
耳元で響く鼓動。暖かくて大きな手のひら。
なんか、安心する。
「…ダイスケ?」
遠くで優しくて少し低い声が聞こえる。
限界まで扱かれた疲れが一気に押し寄せてきて、瞼が重くなった。
「さんじゅ、ぷん…した、ら…おこ、し、…」
ああ、もう無理。眠い。寝よう。
もしも、こいつの専属トレーナーになったら、こうやってずっと一緒にいられんのかな………
「………け、ダイスケ?」
「…ぅ、ん…」
頭が霞む。手足が重い。
でも暖かいものに優しく包まれてる感じで、なんかふわふわしてて気持ちいい。
俺を呼ぶ声が聞こえる。好きって言うからそれに返事する。けど声にならない。眠い。ふわふわ。
ゆらゆら揺れて、漂って、何も考えられない。
もう一度深いとこまで沈んで行こう………
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