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起こされた眠り姫

【大介side】 「んんぅ…………」 なんだかふわふわする。あったかい。いいにおいがする。 「…ん……ジャス、ティン…?」 「やっと起きた、オレの眠り姫」 目の前にどアップで映るその整った顔立ちは、寝起きには毒だと思う。 つーか、寝起きって…あれ、ここどこだ? 「ああ、オレが借りてる部屋だ」 「じゃあ、継んち?」 キョロキョロしてる俺に気付いたのか、簡潔にその答えをくれる。そうか、継んちか。……………あれ、待て。 「なあ、ちなみにどうやって来た?」 「ん?Piggybackだけど?」 「マジか………」 うわあ、マジか。この年で寝こけて背負われて帰るとか、マジ恥ずかしいんだけど…! ぱっとカーテンの隙間を覗けば、外は暗い。どんだけ寝てたんだ俺……… 「さっきケイが来て、今日はこのまま泊まっていけって。家には連絡してくれたみたいだぞ」 「あー、うん…」 お互いの親同士の仲がいいおかげで、両家には服も下着も置いてある。いつでもウェルカム状態。 ふと思った。 「なあ、なんで俺お前に抱かれてんの?」 「ダメか?」 「暑い」 そう、気付いた時からどんどん暑くなっていたから。

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