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放課後の教室は少し寒くて、君の手はこんなにも温かい

【継side】 ぎゅってした創の体は、服の上からでもちょっと冷たく感じた。けど、少しずつ指先があったかくなってきて、ほっぺたとか触ると吸い付きそうなくらい柔らかくて、ぎゅうぎゅう抱きしめてたらストップかかった。 「ちょ、けぇ…苦しい」なんて苦笑いしながらも突き放さないのは、やっぱりオレが受け入れられてるからだなんて思うとものすげえ嬉しい。嬉しすぎて… 「…あ、勃っちゃった」 「………ごめん、やっぱ離れて」 「だってしょうがねえじゃん!!創とくっついてたらこうなっちゃうの!!!!」 こんな正直なヤツなんて、他にはいないと思うけどな。 創といると、ちょっとの事がものすごく嬉しく感じたり、楽しくなる。一人なのに、二人分なんだよな。 額にちゅってしたら、上目遣いで睨んでるんだかなんだか分かんないくらい可愛く見つめられて、もう一回ちゅってしたら鎖骨あたりを額でぐりぐりされた。ちょっと痛いんだけど、これは創が照れてる時とかによくする。可愛い。 髪を撫でてやると、さらさらと音を立てて指の隙間から落ちていく。窓から入ってくる光が反射して、すごく綺麗だ。 しばらくぐりぐりされて、ふと創が顔を上げて黒い瞳と視線が絡む。あ、と思った瞬間には、すでに唇は離れていて。 「…帰ろ?」 「ん…」 少し紅いほっぺたしてふわりと微笑んだ創が、オレの手のひらを握って歩き出す。その指先は、何よりも慣れ親しんだ暖かさだった。

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