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合図は何時だってあの四文字

【創side】 食事の後片付けをさっと済ませると、継がリビングの入り口で両手を広げていた。お気に入りのエプロンを外して椅子の背もたれに掛ける。いつもだったらきちんと畳んでおくんだけど、おれもちょっと我慢できなかったみたい。 躊躇なくそこへ飛び込むと、ぎゅうっと抱きしめてくれる。 暖かい胸に逞ましい腕で抱きしめられて、それと同じくらいの力でしがみ付くみたいに継の背中に腕を回す。 今までの分を埋めるくらいにぴったり寄り添うと、優しく頭を撫でてくれた。たったそれだけの事なんだけど、ものすごく嬉しくて、ものすごく幸せで。 継の肩に埋めていた顔を上げて、耳元でそっと囁く。 だいすき。
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