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二人だけの教室

【大介side】 俯いていた顔を上げれば、そこにはニコニコと楽しそうなジャスティン。片手はしっかりと握られたまま、もう片方の手でさっきからずっと俺の頭を撫でてる。 恥ずかしくて、でもなんか心地よくて、それを拒否できないのがなんか悔しくて。 ポジションを変更する、それは前から梅ちゃんにも言われてた。ジャスティンも俺のプレイスタイルを見て、それが最善だと思ったんだろう。 「出来ねえよ…」 「自信ないのか?」 「…そりゃ、あるかないかっつったらない」 頭を撫でてた手のひらがするりと降りてきて、今度は頬を撫で始めた。 こいつが来てから一週間足らず、俺の側にいるようになってからまだ二日目。スキンシップの多さにだんだん慣れてきた。だから、イヤだと思わないんだ、慣れたからだきっと。 それ以上に、この碧い瞳に見つめられたらどうにもならない。 「それでいい。過信はダメだ」 「…でも、お前の事は100パー信じてるから」 「ああ、全力でサポートするって言っただろう?」 絡めたままの指先に力を込めたら、あの瞳が近付く。動けない。 唇にキスされたのに気付いた時には、もう何も見えなかった。

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