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【番外編】修学旅行

小学生の息子が修学旅行に行ったので、双子もイかせて、いや、行かせてみました。 中学生のお話です。大ちゃんと創は同じクラスで、継は離れてます。 **** 【継創】 ‪「…行ったか?」‬ 「おう、オッケー」 真夜中のホテル。見回りの教師が過ぎ去ったのを確認すると、数人が部屋を抜け出した。 別にやましい事をするわけでもなく、ただ親しい友達の部屋に遊びに行って、色んな話に花を咲かせながら夜を明かすだけなんだけど。 修学旅行という特別なイベントのせいで、みんなの気持ちも盛り上がる。 「継、ホントに来たの!?」 廊下を少し進んだ別の部屋。もちろん開いているカギ。そっとドアを押して入り込むと、足音を忍ばせて部屋に入った。 いや、正確には足音を忍ばせた「つもり」だった。 一番手前に敷かれた布団が捲り上がり、自分と同じ顔が暗闇でも見える。 この旅行のために新調したパジャマが、とてもよく似合っていて。 「へへっ、やっぱ分かるか〜」 「継の足音だもん、寝てたってわかるよぉ」 クスクスと笑いながら、おいで?と手招きしながら横にズレてくれる。その空いたスペースに遠慮なく潜り込めば、ふわりと創の香りに包まれた。 隣の布団では大介が爆睡してる。昔からこいつはどこでも寝れる奴だった。 部屋の奥の方では、おそらく誰かが兄弟に借りたのかアダルト雑誌が広げられていて、異様な空気が漂ってる。 「お前らは見ないの?」 「キョーミねえ」 「ははっ、お子様め〜」 アホか。どこの誰かも知らねー女の裸見て何が楽しいんだ? そんな紙切れよりも、創の方があったかくて柔らかくていい匂いなんだよ!!!!知らねーだろ?教えてやんねーけどな!!!! 「どうしたの?」 「なんも。ほら、早く寝な?」 創はもともと夜更かしは苦手な上に、今日は朝7時に学校集合だった。移動中とかは寝てたみたいだけど、それでも疲れてるだろう。 いつもするみたいに手を繋いで、優しく背中を叩いてやる。 だんだんとオレと創の呼吸が合ってきて、やがて重なった頃、長い睫毛で黒い瞳が完全に隠れた。 「…おやすみ、創」 そっと触れ合わせた唇は、いつもより暖かかった。

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