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貴方だけに従うと誓おう
暑い。熱い。蕩けそう。
霞んだ目に映るこいつが、なんかすごく大人っぽく見えて悔しい。かっこいいとか思った俺がなんかやだ。
「う、んっ…はっ、あ」
「息吸って」
あ、今こいつ鼻で笑った。むかつく。
でも苦しくて思いっきり息を吸い込むと、また塞がれた。今度は唇をずっと合わせながら、なんか食われてるような感じがする。
「手、こっちがいい」
「ん…ふ、…」
繋いでいない方の手を取られて、ジャスティンの首に回される。
あれ、なんかこれじゃ俺から抱きついてるみたいじゃん。でもまあいいや、さっきより近くにいる気がするし。
首筋に掛かる髪に指を絡めてみた。細い髪。綺麗だと思う。
「はあっ…なに、すんだよ、いきなり…」
「ん?ステディなキスだけど?」
「アホかっ!窒息するっての!」
離れた唇が名残惜しくて、今度は自分からそれを追い掛けた。
ちょっと触れて離れるつもりだったのに、なんか調子に乗ってまたぐいぐい迫られたから、その厚い胸板を押し返す。
「ちょ、練習…」
「そうだな、キスの練習いっぱいしようか」
「しね」
「Ouch!」
ゴッ!と頭突きをかましてやると、さすがに体を引いてくれた。それがなんかちょっと寂しいとか思わないぞ絶対!
危うくここに来た目的を忘れるところだった、流されるな俺!
「シュート練習しに来てんだろ!」
「……ああ、そういえばそうだったな」
こいつ…!
せっかく実力認めてそれを教わろうって思ったのに、なんだこいつ!なんでこんな、こんな…
こんなに、俺の事好きなんだよ………
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